pmnh wildlife portrait archive : insects

ベッコウチョウトンボ - Rhyothemis variegata

沖縄の離島、伊平屋島。ひらひらと無数のチョウトンボが舞う。僕は通りすがりだから不思議な光景としか思えないけれど、これを見慣れると特定の季節や場所が何らかの感情とともに想起されるようになるのだろうか。

時々トランジットでチャンギに下りてはいたが、シンガポールの市内に入るのは本当に久しぶりだ。正確には記憶していないが、たぶん10数年ぶり、もしかしたら15年以上かも知れない。当時はちょくちょく来ていたとはいえ、そういう事情で実のところあまり確たる記憶が残っていない。

都会で小綺麗にしていて、だけど基層はゆるい東南アジア華僑の国、という構図はあまり変わってはいないけれど、小綺麗な都会がさらに(小さな)国土を覆い続けて、そこに外資がどぶどぶと流れ込んで、どうもゆるい基層の方は最近肩身が狭いらしい。

肩身が狭いのは、自然環境の方も同じだ。あちこちで開発が進み、どうやら薬品も使うようだから、マレーシアあたりとはずいぶん感じが違う。少ない保護区はどこか英国風の運営で好感が持てるが、そもそも人が多すぎるし、自然もどこか痩せていて、都会らしい嘘臭さがただよう。そして、ちょっとでも珍しい鳥が営巣すると、場違いなくらいに長くて太いレンズが集まってきて、巣を包囲してしまう。この辺は、東京に通ずるものがある。熱帯であることは救いだが。

今回のコンセプトは、今まで向き合ったことがなかったシンガポールの自然を探訪する、ということだったので、まぁそれはそれでよい。同じことをまた繰り返したいとはあまり思わないが、それなりに楽しめたことも事実だ。最大の収穫は、公園の木の繁みから、僕を見下ろしていた大きなフクロウ三羽。

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市街地の写真は Facebook にまとめて上げてある。

[写真撮影 : 2014/05 - シンガポール] [photo data : 05/2014 - Singapore]
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