pmnh wildlife portrait archive : others

クマネズミ - Black Rat - Rattus rattus

もうだいぶ前からその気配はあったのだが、正月に家を空けて、久しぶりに戻ると、天井裏が騒がしいのだった。壁をどんどんと叩くと、ひっくり転げたように狼狽して、チューなどと声を上げたから、ネズミに相違ない。
理事は嫌だから追いだせと言うものの、玄関に堂々と「Wildlife Refuge」の標識も掲げている以上、卑怯な手段を用いるのも気が引けるし、そもそも別に僕は気にしていないのだ、というかむしろ楽しい。まぁそうは言っても食物に手を出されると色々な意味で厄介だから、夜、こそこそ歩く音がしたら、そこの天井を一脚でどんどんと突いて、適度な緊張を与えることにした。

そんなこんなで約十日。よく晴れた午後にソファで寝ころんでいると、窓の外、隣家との塀の上をよぎる影が視界の隅に入った(習性上、こういうのはよく目に入る)。ジョウビタキ?と思って慎重に目だけ動かしつつ、右手でカメラをまさぐると、これが何と毛艶のよいネズミ二匹である。一匹は楽しそうに塀を上下していたが、もう一匹は僕を認めるとちょんと座り、腰を落ち着けてこちらの観察を始めた。ガラス越しとは言え、撮影しても視線を逸らさない。単に警戒していただけと思うが、戦国大名の敵情視察だったら、大胆不敵、敵ながらアッパレというところだろう。

で、連中は相変わらず天井裏でかさこそと暮らしていて、僕も相変わらず一脚で天井をごんごん叩いている。理事は相変わらずうるさいが、ゴキブリも食べるのだから、といって今のところ許してもらっている。



[写真撮影 : 2010/01 - 東京都杉並区 - 頭胴長約20cm - ネズミ科 - 個人的博物館本館の人里・農地の哺乳類のページへ]
[photo data : 01/2010 - Tokyo, Japan - body length abt. 20cm - Muridae - visit “
Mammals in the town, country and farmland” (main museum)]
[Sleeker_special_clear]