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ニホンノウサギ - Japanese Hare - Lepus brachyurus

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旅行記の方でも書いたが、葉が落ちていて見通しがよく、それぞれが浮き足立っている春は、哺乳類の観察適期。特に野うさぎはすぐ草に隠れるので、撮影はこの季節が一番よい。とは言えだいたいはこちらが認める前にさっさと走り去って行くので、忍耐とか幸運とかヒマとか、そういうものも必要だ。見つかる前に見つける、あるいは見つかっていると思われないように見つけるのは、難しい。

それにしても、名前だ。ニホンノウサギ、キュウシュウノウサギ、トウホクノウサギ、それぞれに日本の兎、九州の兎、東北の兎、だと長いこと思っていて、牧歌的な民話の世界を勝手に連想していたが、ニホン野うさぎ、キュウシュウ野うさぎが本来の名称らしい。

問題はアマミノクロウサギで、これもアマミ野クロウサギだという話がある。しかし、ノウサギという名称が浸透している状況においては、そこに黒という要素を足すならノ黒ウサギではなくて、黒ノウサギとするのが自然な文法だろう。それに、ノ黒ウサギならば、アマミ/ノクロウサギとなって、「ク」の部分の声調が異なる。クを高くする発音は聞いたことがないような気がするのだが、気のせいだろうか。

調べものも何もせず、勝手に想像しているが、アマミノクロウサギの命名には、因幡の白兎が影響を与えているのではないか。奄美の黒うさぎも、因幡の白うさぎも、アクセントのパターンが同一で、意味的にもうまく対をなす。命名か、受容に、先行者の存在が影響していることは十分考えられる。

いずれにしても、名称の質としては、野黒兎より、奄美の黒兎の方がだいぶ上、というか、野黒兎の名称は野暮に過ぎる。仮に万が一、本来の意図が野黒兎だとしても、もう奄美の黒兎と呼んでしまうのがよいような気がする。

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この写真は、「撮影者はウサギに見つかっているが、ウサギは自分が見つかっているとは思っていない」状況の写真。ああややこしい(笑)

[写真撮影 : 2014/04 - 長野県 - 約50cm - 個人的博物館本館の温帯林・寒帯林のほ乳類のページへ]
[photo data : 04/2014 - Nagano, Japan - abt.50cm - go to "
Wild and domestic mammals found in temperate & cold woodland" in the main site]

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