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[這いずり日記] 長野方面 2015/晩夏その1

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理事が日本に帰ってきたので、羽田空港でピックアップし、そのまままた山に戻って5泊。


お盆を過ぎたら、季節は明らかに変わったことがわかる。時々見ている入笠牧場の管理人のブログなどは、もう区分けが「秋」になった。まぁあそこほどの標高はないのだが、それでも何だか、夏である、と断言することはもはや憚られるような気分である。

昼、夜、時々肌寒いのもそうだし、生き物に勢いがなくなってきたのもそう。ノジコはもう姿を見ないし、いままで朝晩律義に鳴いていたクロツグミ、センダイムシクイなどももう囀らなくなった。サンショウクイは育てた子供たちを連れてフヨウの花に下りてくる。もうすぐ帰り支度だな、という気配は濃厚である。フクロウだけは、依然活発に啼き交わしている。

この夏、オオムラサキは結局定着しなかったが、欠席かと思われたコムラサキはぎりぎりで一頭確認した。繰り返しになるが、蝶にせよ、甲虫にせよ、種類はそれなりに出たのだが、個体数がいまひとつ、という夏だったかと思う。ヒョウモン、ミスジ、カラスアゲハ、ジャノメチョウ、いろいろまだ飛んでいるが、この時季になると翅の破けているものがおおくてちょっと物悲しい。

下の部落の夏祭も終わり、飛行機であるなら、当機はこれから徐々に高度を下げて参ります、とアナウンスが入るあたりだろうか。

花も徐々に秋の花に移行しているが、あまり新顔はない。少し山の奥の方に足を踏み入れて、カリガネソウの株をいくつか見つけたくらい。あとは、ツリフネソウがキツリフネを交えて群落を形成していたり、思わぬところにオタカラコウがニョキニョキ出てきたり、溝にトリカブトが出てきたり、というところ。春の勢いも、夏の豊饒もないが、変なものが多く出て、花方面、案外に秋は面白い。

絶賛開花中:イヌゴマ、ママコナ、ツリフネソウ、キツリフネ、ツユクサ、チョウセンヨメナ、ハルジオン、シテシャジン、ミツモトソウ、オトコエシ、ボタンヅル、イヌトウバナ、ムクゲ、クサフジ、ヌスビトハギ、コバギボウシ、ヤマホタルブクロ、イタドリ、ヤブカンゾウ、ゲンノショウコ、アカツメクサ、シロツメクサ、オオバコ、キオン、オオハンゴンソウ、シシウド、カントウヨメナ?、チョウセンヨメナ?、フジバカマ、ママコノシリヌグイ?、フシグロセンノウ、ミズヒキ、キンミズヒキ、ノボロギク、オタカラコウ、カタバミ、クズ、ヤマフジ、カリガネソウ(New)、同定中アザミ二種類と同定中トリカブト。

今回は風景写真をあまり撮らなかったので、花シリーズとする。

これは個人的には実に意外だったクズ。こんな植物だとは。↓
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今回の発見、カリガネソウチョンチョリンがついている。
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オオハンゴンソウに混ざって、キオン↓
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最初は園芸植物だと疑った、フシグロセンノウ↓
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今が盛りのツリフネソウと、盛りを過ぎて持ちこたえているキツリフネ↓
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地味に美しく、地味に甲虫を集めるオトコエシ
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にょきにょき生えてきた、オタカラコウ。ニョキニョキ系ではオオウバユリの穴を埋める。
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なお、下の部落では夏祭が行われた。今年は娘衆の参加も少なく、やや盛り上がりに欠けた。雨も降ったし。
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[写真撮影 : 2015/08 - 長野県] [photo data : 08/2015 - Nagano]
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