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[這いずり日記] 中国雲南省2016/秋その1(哈巴雪山)

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体力だとか仕事だとか色々な事情があって、最近の理事はハードな自然観察旅行からは事実上の撤退である。ではさて、今後は一人でどのように出かけようか、と思案していたところ、中国・雲南省での登山について来ないか、という誘いがあったので乗ることにした。

高校の山岳部のOB会創立何十周年の記念登山と言う触れ込みだったが、こちらにも色々な事情があって、最終的にはOB会有志による勝手な登山という形に落ち着いた。65歳から20歳まで、比較的暇人というか、物好きが7名集まって、雲南省にある哈巴雪山(5,396m)に登るという計画だ。もちろん、僕は山頂に挑む興味も体力もないので、アタック中は 4,100mのベースキャンプに残って、付近の動物相・鳥相の観察にいそしむ、ということにさせてもらった。広州〜昆明から入国して、雲南各地の観光化された山で高度順応しつつ、登山に四〜五日、全体で二週間。

いろいろな事件が次々と発生したし、まだまとめるには体験が生々しすぎて、色彩が印画紙に定着していないような状況だけれど、それでも、大変面白い旅行だったことは確かだ。思えばこんな大人数で旅行や山に出かける、ということ自体、ひょっとしたら35年ぶりくらいではないかと思うのだが、ちょうどその頃の、昔の山行きが、長い年月をはさんでまた復活したような感覚を覚えた。若干配役を変更したリメークというか、シリーズ2というか。

鳥相・動物相という点では失望が多かった。まず都市・町には明確に鳥がすくない。ヒヨドリだの、カラスだのばかりで、特に前半は心底がっかりした。後半になり、人が少ない地域に入ると、それなりに鳥は現れたが、それでも期待したほどではない。気付くと、海抜4000m以上の山上でも、現地の少数民族の馬丁が、暇つぶしにポケットに忍ばせたパチンコで鳥を撃っている。高原の湖でも、「魚釣り禁止」に加えて「鳥撃ち禁止」などという看板があちこちに出ている。率直に感想を述べれば、「だいぶ取っちゃったな」という感じである。野生ほ乳類なんて、とうとう一頭も見なかった。爬虫類も、アガマ一匹だけだ。

ただ、遊牧にいそしむ少数民族の居住地域にいたため、家畜はたくさん見た。見ただけではなく、ラバには乗りさえした。ベースキャンプでは、ヤク、ラバ、、そして人の排泄物が散乱しており、そこに毎日雨が降って、溶けては泥と混ざりまた溶けて混ざり、もう味噌も糞も一緒のような状態であって、もともと腹の弱い僕はもちろんのこと、他のメンバーも少なからず下痢に苦しんだ。

それでもだ。悪天、下痢、そんないろいろな悪条件のもとで、登山隊は無事に四名登頂を果たしたのだし、僕も少ないとはいえ、初めての国で多少は鳥の観察もできた。どこまでも続く広大な山国のそこここで、いろいろな民族のお姉さんやら、おじさんおばさんやらとも楽しくコミュニケーションが取れた。なにより、メンバー間の親睦がふかまって、くだらない話をしては日夜大笑いしていたのだから、まぁ成功した、よい山旅であったと言えるだろう。

ここ半年くらい、体力に関する懸念も含めて、常に若干のプレッシャーを感じていたプロジェクトが終了したことで、解放感とともに、喪失感のごときものもある。折りしも秋だし、山は冷えて、ちょっともの寂しい。

写真は適当に選んでいるが、母集団が大きいので、二回に分けることにした。今回は哈巴雪山篇。もっとも、本山は終始雲の中にあり、一度も山頂は目にすることが出来なかったので中腹の写真ばかりである。


たどりついた4100mのベースキャンプから、さらに上を見る
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これは付近の山。いずれにしてもすごい地形だな
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仲間のアタックの日、上の方(4,700-800くらいまで辛うじて見えているかもしれない)を何度も見てみる、天気はずっと良くない
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アタック隊が帰ってくるまで、付近を探検して鳥を見る。
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いろいろお世話になったラバ。とくにシャッジュ
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全員とりあえず無事で、降ってきた村近くの牧場、標高は 3100mくらい
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続きはこの次のエントリで。

[写真撮影 : 2016/09 - 中国・雲南省] [photo data : 09/2016 - Yunnan, China]

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