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[這いずり日記] 長野・戸隠 2013/夏

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この夏は、最初はモロッコに行く予定だったのだが、ラマダンとかちあって断念、でもほんとうはケベックに行くはずだったのだが色々と事情があって時間切れ。結局今年の夏はおよそ15年ぶりに国内で過ごすことになった。


更に言うなら北海道で RV8 ラストランという構想も立ち消え、結局いつもの長野方面に、戸隠を組み合わせた三泊がまず夏休みの旅、第一回である。戸隠に来るのはほぼ十年ぶり。戸隠神社の社叢をバックヤードとする森林公園があって自然の豊かなところだ。十年前は春だったが、クロジだのニュウナイスズメだのが目の前で囀って楽しい旅だった記憶が残っている。

前回は鬼無里に拠を置いて毎日早朝から戸隠を往復していたが、今回は茅葺きの建物も眩しい旧僧坊の旅館とする。夏休みだし、混雑を覚悟していたが、これがまさかの貸し切りでまずはびっくり。人がいないかというとそんなことはなくて、例えば奥社にゆけば爺さん婆さん子供連れ、ミニスカートの小娘までいるほどの人ごみでまたびっくり。森林公園に入ると昭和の歌謡曲を唱和しながら各々行進する修学旅行にびっくり。ちょっと道を逸れると途端に静かになってまたびっくり。何かどうも、極端から極端に振れるようなのだ。

宿に帰って女将と世間話をするが、最近は部屋に虫が入るという苦情が多くて対応に苦慮しているとか(何のために山に行くのか。実に嘆かわしい)、春の繁殖シーズンは鳥よりもバードウォッチャーが多いくらい、とか、やはりどうも「極端」という言葉が頭に浮かぶ。極め付けは帰路で、東京に帰るまで三度、ゲリラ豪雨の襲撃に遭った。最初のものは特にすさまじくて、前方は真っ白、道路は冠水、あげくにラストランの車はとうとう浸水、かつて日本では経験したことのない種類のものだった。

久しぶりに夏を日本で過ごすことにしたのはいいが、現在の夏の日本というのは、どうにもギラギラとけばけばしくて、もはや旅行には不適なのではないか、という気さえしてきてゲンナリする。ただ、人のいない宿の、食事も、風情も、たいへん良かったのが救い。

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[写真撮影 : 2013/07 - 長野県] [photo data : 07/2013 - Nagano Pref.]
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