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[這いずり日記] 長野方面 2015/初夏その4

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また、山で1週間。仕事の忙しい理事にはふられたので、珍しく男2人、パトカーに追っかけられた黄金コンビの久しぶりの復活である。

梅雨の真っ最中なので雨は降ったりやんだり、青葉は少しずつみずみずしさを失って、もうすっかりあの、夏の、感じがしている。あんなに頑張っていたセンダイムシクイやノジコも前ほどはさえずらなくなり、気づくとシジュウカラなど、既に子連れの鳥も多い。やれやれ、時間の経つのは本当にはやい。

こうなると鳥は山の中より、むしろ人里がおもしろい。用事があって下の部落に下りると、細々と繁殖しているとばかり思っていたコムクドリが、東京のムクドリのように電線に鈴なりになっているし、山にはなかなか上ってこない(声だけはきこえる)カッコウのカップルが、電柱でいちゃついていたりする。

虫や小動物はいろいろ出てきて、ほんとうに見飽きない。ひさしぶりにシカマムシも出たし、トラカミキリだとか、キジラミだとか、伏兵のようなものどもが、あちこちの細部から飛び出して来る。蝶も、親しげに飛ぶものを同じものかと油断していると人知れず入れ替わっていることがある。前回イチモンジチョウがいたその位置に、今回はフタスジチョウがいる、という塩梅だ。

というわけで、都会や人間社会のことはわすれて、ひたすら自然観察に淫し、夜は仕事を片づけつつ、昔の写真のデジタル化に専心した。山の暮らしは効率がよい。

こないたから始めた花の調査は続けており、いま小屋の周囲で開花中なのは玉石混交で以下の通り。コバギボウシ、ハキダメギク、フランスギク、ヤマホタルブクロ、ヤマオダマキ、カナダアネモネ、スイカズラ、イボタノキ、ミズキ、ノイバラ、クサノオウ、ハルジオン、アカツメクサ、シロツメクサ、アメリカオニアザミ、ムシトリナデシコ、ムラサキツユクサ、サワギク、キツリフネ、ドクダミ、ヤツシロソウ、クサフジ、あと種類の未だ分からないのが二つ、三つ。咲いていないようで、意外と咲いている。そして、移入種や園芸種の侵入がそれなりにきつい。

写真は雲シリーズで。この季節ならでは。

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[写真撮影 : 2015/07 - 長野県] [photo data : 07/2015 - Nagano]
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