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[植物探索] 長野方面2016/春その2

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というわけで、山は百花繚乱、というとイメージがだいぶ違うが、地味な商店街のようなありさまになっている。


考えてみれば、この空をうねり、地中を這い、地面を埋め尽くすものの多くがそれぞれの花をつけるのだから、それを追って行くというのは確かに容易ならざる道のりかも知れない。

まぁこちらも地道に行きます。

絶讃開花中:フキ、コハコベ、セイヨウタンポポ、シナノタンポポ、エイザンスミレ、タチツボスミレ、ほかスミレ各種、イヌナズナ、ナズナ、ワサビ、ニッコウネコノメソウ、(スギナ)、サクラソウ園芸種、タネツケバナ、カキドオシ、ヤマウグイスカグラ、シバザクラ園芸種、ヒメオドリコソウ、ユキヤナギ、ムラサキケマン、フデリンドウ、ヤナギの一種 x 2+、ニリンソウ、ヒゲネワチガイソウ、ワダソウ、アケビ、ヒトリシズカ、ミツバツチグリ、ツルニチニチソウ、マメザクラ、カスミザクラ、桜園芸種、セントウソウ、レンプクソウ、ヒメカンスゲ、ミヤマエンレイソウ、ホソバノアマナ、クサノオウ、園芸種ドウダンツツジ、ヘビイチゴ、キイチゴのなかま、ヤマブキ、アブラナ科不明、その他いろいろ不明種あり

ホソバノアマナ Lloydia triflora ユリ科。草丈20cm、花径1cm。容姿のコンテストがあれば今回の有力候補。
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ヒメオドリコソウ Lamium purpureum シソ科。草丈15cm 内外。東京にもはびこっているが、山の林にも進出している。
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コハコベ Stellaria media 花数ミリ、草丈5-10cm くらい。ちっこいが端正。ナデシコ科。
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ニッコウネコノメソウ Chrysosplenium macrostemon var. shiobarense 水流沿いに一定の勢力があるが、花期はほぼ終わり。現在はこの赤黒い四角い雄しべの葯はほとんど見えない。草丈10cmくらい。花は1cm。ユキノシタ科。
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ワサビ Wasabia japonica アブラナ科。これも渓流沿いに一定の勢力があり、ネコノメソウとニコイチのように仲良く生えており、花期も終わり近い。小屋の後ろの流れにも出ているが、まだ食べていない。草丈30cmくらい。花1cm。
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ミヤマエンレイソウ Trillium tschonoskii 草丈20cm、花径3cm。今回の発見。薮の中に、唐突に一本屹立していた。ユリ科。
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↓ニリンソウ Anemone flaccida キンポウゲ科。花2cm、草丈10cm。前回より進み、だいたい満開。どこにいたんだ、というくらい林床を覆っている。
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山の中に唐突に生えているので、カスミザクラ Cerasus leveilleanaではないかと思うのだが、花柄に毛はない。ちょっと保留。樹高4m、花2-3cm。バラ科。
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↓小屋の前に二本ある、おそらくマメザクラ Prunus incisa 花は下を向いて、実に質素に咲く。ソメイヨシノなどもあるが、こいつが一番最後。樹高 5m、花2cm。バラ科。
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ヤマブキ Kerria japonica バラ科、樹高2m、渓流沿い、あちこちに生えていて、とても目立つ。花3-4cm。咲いているものもあるが花期はこれからで、つぼみはご覧の状態。昔、親父が山で山吹を掘ってきて家で植えていて、山吹鉄砲を造ってくれたりしたことを思い出した。昔のことです、もう皆さんは止めて下さい(笑)。
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小屋の周りはセイヨウタンポポに占拠されていて、苦々しく思う反面、黄色くぽつぽつと地面に描かれた紋様はうっとりするほどきれいだが、注意しながら川筋を辿って行くと、明確に異なるタンポポも健在であることがわかる。タンポポは同定が難しいようだが、これはシナノタンポポ Taraxacum hondoenseだと思う。花が白い変種なので、ウスジロシナノタンポポという和名を唱えられている人もいるようだ。花は3cmくらい、周囲の西洋タンポポよりは小さい。キク科。
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今回はこのくらいで。


[写真撮影 : 2016/04 - 長野県] [photo data : 04/2016 - Nagano]
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