pmnh wildlife portrait archive : travelog

[這いずり日記] 端境期。「天と水」の巻~長野方面2017/秋その2

1710ttzw1_1207_w
キノコも出ているから、東京の用事をそそくさと片づけて、山で二週間。ただこの二週間はほんとうに雨ばかりだった。

観察記を書こうにも、その観察が三日に一度しかできないのだから話にならない。従って書くだけの材料があまりない。

キノコは比較材料がないので豊作か不作か判断できないが、ハナイグチは何本も出た。きわめつきは、小屋の目の前に二本。恐る恐る、味噌汁の具にしてみるが、麩とナメコを合わせたような食感だった。ともあれ、山尾三省が言うところの縄文感覚だろうか、採集経済というのは新鮮だ。

木の実が落ちて活況を呈しているのが齧歯類で、向かいの林では久しぶりに
リスがつがいとなって元気に走り回る。そのせいかテンもちらほら見かけるが、一方で、野鳥や鼠の天敵、野良猫が出るのが困る。取り敢えず全力で追い払う(全力で逃げて行く)が、上の方に住んでいるNさんは、罠で捕獲して、そのまま水責め(池に漬けるらしい)にすると寄りつかなくなるわよ、と言っているが、どうしたものか。

虫はぼろぼろの
ヒョウモンが息絶え、クスサンヒメヤママユになり、クサギカメムシが小屋を慕ってくるというのが全体の流れ。ヤンマイトトンボ(オツネン系を除く)も空中から姿を消した。赤とんぼ系が多少残るが、元気はない。

鳥は引き続き端境期で静かで、目立つものと言えばイカルと
エナガばかりだが、よく見ているとヒタキもまだいる。静かにしてはいるが、山から下りてきたビンズイもいる。上の池では、カイツブリが子育てを継続している。ただ連日の雨なので、夏鳥は渡りがうまくいくだろうか、凍えてはいないか、心配になるくらい。

台風が接近している土曜日、選挙のこともあったので東京に戻る準備をしていると、突然あたりが騒然として、アトリの大群が現れた。冬鳥の第一号。昨冬はアトリの冬だったが、今年も好調は継続するようだ。それにしても、台風の前日に到着というのは間が悪いのではないか、よろず心配が絶えない。

まずは水と空の巻。
つづいて
葉っぱの巻
さいごに
地の巻

1710ttzw1_1207
1710ttzw1_1010
1710ttzw1_1732
1710ttzw1_3331
1710ttzw1_3468
1710ttzw1_1094
1710ttzw1_1026
1710ttzw1_2760
1710ttzw1_1415
1710ttzw1_1190


[写真撮影 : 2017/10 - 長野県] [photo data : 10/2017 - Nagano]
[Sleeker_special_clear]