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ノハナショウブ - Japanese Water Iris - Iris ensata

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雨の合間、ひとり久しぶりにちょっとだけ足を伸ばして、奥の林の方まで行ってきた。伸ばしたといってもちょっとだけ、大して遠いわけではないが、それでも数ヶ月ぶり。


この辺では初めてコアジサイの木を見つけたり、小屋の近くの小群落 x 2が壊滅したっぽいオカトラノオの群落をいくつか発見したり、それなりに成果はあった。林のいちばん奥、その見つけたオカトラノオの新しい小群落の後ろ、赤松の林の中にアヤメが一本二本立っていたので、ちょうどヒメキマダラセセリが止まっていたこともあって、ほとんど何も考えず、写真に撮って帰った。

小屋に帰って記憶を反芻していると、あのアヤメが気になってきた。小屋の周りのアヤメなんて疾うに終わっているのに、なんで今時分咲いているのだろう。そう言えば、ふつうのアヤメより背が高く、しゅっとこう、筋が通ったような気品がなかったか。図鑑を調べるとどうやらノハナショウブではないかと目星が付いたが、確信はない。

小屋に寝泊まりするようになって分かったが、芸能人ぽいルックスでにもかかわらず、山の中では「いわゆるアヤメ」は結構普通種だ。えーこんなところに、という具合に、ぽつぽつと生えていて、六月に咲く。小屋の周りの領土内にも、毎年何本か、少しずつ場所を変えながら、増えもせず、減りもせずという具合で棲息している。だけどノハナショウブなんてのは見たことがなかった。

三日後の午後、雨が上がったのであたふたと支度をして理事と出かける。場所を確かめ確かめ、この辺、この辺、と探すと、確かにアヤメより大柄の草がしゅんと立っていた。三日前の花が朽ちて、新しい花が咲いている。つぼみも二つ三つ。水道栓みたいな花の形状はアヤメと同じでフレームに収めるのが難しいが、上から、横から、思う存分撮らせてもらった。色々撮ったけど、取りあえず今のところの結論は一番目の写真と最後の写真。

小屋に帰り着く前にまた土砂降りになり、腿から下がずいぶん濡れた。

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「いわゆるアヤメ」はまだこのセクターで項目を設けて採り上げてはいないが、
2015年の初夏の日記にちょろっと出ている。


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写真撮影: 2020/07 - 長野県 - 花径約20cm - 高さ約90cm - 個人的博物館本館の「植物・菌類のページ」へ]
[photo data : 07/2020 - Nagano, Japan - flower diameter approx 10mm - height 100cm or so - go to "
plants & fungi" in the main site]
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