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スダジイ - Itajii Chinkapin - Castanopsis sieboldii subsp. sieboldii

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昔むかし、毎日近所の神社で遊んでいた頃は、シイというのは身近な木だった。蹴ったり踏んだり座ったり、遊ぶにしても、休むにしても、よくシイの木を使っていた。

いつの頃からか少しずつ疎遠になって、もちろん椎の木の何たるかは憶えているにせよ、姿も、感触も、すっかり忘れていたのだが、先日茨城で数日を過ごして、適当に大きな木を表敬訪問してまわったところ、何本も大きな椎の木に遭遇する機会があった。

最初、大きな椎の木といっても「へえ、椎ね。長野にはないな」くらいの扱いで格段の感慨はなかったのだが、何本か見ているうちに、肉体を持つ存在としての椎を、段々思い出してきた。幹の割れ目も、愛想のない葉っぱも、地面に映った影も、土に埋もれていく根っこも、すべて見覚えがある。なんだ、お前ら、シイじゃないか。

というわけで横に広がったもの、縦に伸びたもの、今回色々な椎を見てきたが、中で一番記憶に残っている椎の木を一本。これは、茂木の大シイと名前の付いている大木で、集落の中、車道から少し砂利の私道?を入ったところに立っていた。見えてくれば高く高く伸びたシイで、折りからの風にぶるん、ぶるん、と荒ぶっている。一番上の梢は、はるか高い。首が折れるくらいに上を見上げて、感歎のため息をつく。

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昨今、人里でカメラを持っている人間は不審人物であるから、集落の木を見るときは神経をつかう。人に見つからないといいな、出会ったら清々しく挨拶しような、と心構えをして歩く(笑)わけだが、こんな風に労を労ってもらえるとは、全くの想定外だった。先日も書いたけど、また書きたくなるくらいうれしい。

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[写真撮影: 2025/04 - 長野県 - 樹高約20m前後 - 目通り 6m 前後 - 個人的博物館本館の「ブナ・クルミ・カバノキのページ(ブナ目)」へ]
[photo data : 04/2025 - Nagano, Japan - height 20m mol - DBH abt. 6m. - go to
Oak, Beech & Birth" (Japanese) in the main site]

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