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ヤマドリ - Copper Pheasant - Syrmaticus soemmerringii

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昼前に起きると、理事がうひひひと笑いながらやって来て、すごいものを見た、と自慢するのである。聞くとヤマドリの一家が小屋までやってきて、くつろいでいたという。

何故僕を起こさないかと質すと、あの神経質な鳥に囲まれて、動くこと声を上げることなどできるわけがないではないか、と言う。まぁそれはその通り。でもくつろいでいたからきっとまた来るよ、そうだね、なんて話をした午後、そいつらは再び現れた。それどころか、それから一週間ほど近隣に滞在し、だいたい朝夕二度ほど、小屋の前に出てきたのだ。

親鳥と子供、四羽ないし五羽。子供はまだ小さくて、小振りのハトくらい。理事の観察によると、連中の主な狙いは落ち始めたミズキの実であって、子供は我慢しきれずに、エゾエノキの幹に上がりそこからミズキの枝に伝って、理事の頭上で直接ミズキの実を摂食していたらしい。ふつうに木に登るんだ。

地面鳥であるから警戒心が強くて、こちらが少しでも動くと逃げてゆく。こちらから歩いて近づくなどは論外だが、デッキで待っていて、姿が見えてからおもむろにカメラを構える、というのもダメ。だから、コウコウと呼び交わすやさしい声が聞こえたり、草を分ける気配を感じた段階で、そこにいて、しかもカメラを構えておく必要がある。しかも薄暗い時、ヒョコヒョコ動きを止めないので、なかなかに難しい撮影だった。

しかしこの辺で珍しい鳥かというとさほどでもない。特に冬、葉が落ちるとよく見かける、というか、飛び立つ姿によく出くわす。1km 上流の住人の話では、うちの小屋から500m下流にある堰堤から下がキジの領域、そこから上はヤマドリのテリトリーだという。春になると、二年に一度くらい、キジの夫婦が意気揚々と越境してくるが、だいたい定着できない。ヤマドリならではのノウハウがあるのだろう。

いずれにしても、小屋の外で座っているだけで、ヤマドリの一家がやって来るのだから、これは堪えられない。まさにうひひひ。

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ヤマドリ

↓やっぱり見えなければOKらしい
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ヤマドリ

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[2020/08- 長野県 - 約30-60cm - 個人的博物館本館のキジ・ウズラのなかまへ]
[photo data : 08/2020 - Nagano, Japan, Japan - about 30cm-60cm L - go to "Landfowls" in the main site]
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