pmnh wildlife portrait archive : birds

オシドリ - Mandarin Duck - Aix galericulata

2009oshidori3105_w
オシドリは春先と秋口によく見る。とくに9月、林の奥のため池に現れて、その頃大量に斃れてゆくトンボの死骸が岸に打ち寄せられるのを、ひっそりとポリポリ食べていることが多い。

春先。春先といっても、まだ雪が残っているような早春に見ることもある。ただ、営巣地ではないようだ(たぶんもう少し高いところではないか)し、繁殖期に姿を見たことはない。いずれにしても、ずっといるわけでもないが、ずっといないわけでもない。そういう鳥だ。

ただ今年はちょっと様子が違うようだ。九月初めにひと家族が現れた。同じように子育てをするカイツブリの横で、母鳥が幼鳥を保護しながら、一家で岸辺でトンボをポリポリ食べていた。と、少しずつ、少しずつ、個体数が増えてきて、これを書いている10月の下旬では、だいたい30羽の一大勢力になっている。いかにもカモの子、という風情だった幼鳥も、地味な夏羽だった雄も、だんだん派手な羽が生えてきて、既にパフィン的なルックス。カルガモコガモの地味な鳥の中で、群れは全体として異彩を放っている。

カルガモほどの用心深さはないが、それでも群れになると、何かのきっかけで飛び立つ。そうすると、塊になり、V字になり、しばらく上空をぐるぐる舞うことになる。経験からいうと、こういう感じになると、もうすぐ一斉に旅立つつもりなのかもしれない。資料によれば西日本、とくに中国地方で越冬するものが多いらしいから、西に向かうのだろうか。

ただ同じ資料を見ると、冬季の主食はドングリ、とも書いてある。個体数の増えたこの年に、今年は不作凶作らしいドングリかあ。それは心配。いざとなると長距離の渡りも辞さないらしいけれども、大丈夫かな。まぁがんばれ。

と言うわけで、このひと月見守っている、オシドリの皆さん。写真多めで。

↓腹が白い
2009oshidori3037
2010oshidori2532

↓一般的にはオスの容姿が有名だけれど、エジプトの壁画みたいなメスが案外すてき。
1909oshidori0666
2010oshidori3910
2010oshidori3898
2009oshidori3166

↓これはまだ9月初め、子供は中学生くらいか。
2009oshidori2616

↓これは換羽途中のオス
2010oshidori2502

↓これは換羽前、エクリプスの雄
2009oshidori2568

↓飛ぶ。
2010oshidori3881

↓飛ぶ。
2009oshidori3105
2009oshidori3165
2010oshidori3832



2021/07 追記。今年は、近所で営巣したようだ。ただ、邪魔するのも気が引けるので、あまり観察していないし、幼鳥もまだ見ていないが、とりあえずつがいが一組、いつも同じ場所にいる。

[写真撮影 : 2020/09-10 - 長野県 - 約30-45cm - 個人的博物館本館のカモ類のページへ]
[photo data : 09-10/2020 - Nagano, Japan - about 30-45cm - visit the main museum "
Ducks & Geese"]

[Sleeker_special_clear]