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ケリ - Grey-headed Lapwing - Vanellus cinereus

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J1復帰を祈念して伊勢の帰りに立ち寄った磐田で、久しぶりにケリを見た。うれしかった。


ケリには思い出がある。カメラを持って鳥を見るようになってまだ間もない20年前に、たまたま琵琶湖の湖北で何日かを過ごす機会があり、耕地を歩いていたら、この鳥がそこにいたのだ。いたというか、農地を耕すトラクターの後を追いかけて、ふわり、ふわりと飛んでいたのだ。

飛ぶとすらっとした翼が白く、大きくて優雅。着地すると保護色の、地味な姿。そして表情は寂しげ。見たことのない鳥。しかも全くのノーマーク。何かすごいものを見つけたぞ、という高揚感に、僕は包まれた。

しかしこの鳥は分布が局地的な鳥であって、近畿東海以外ではあまり見られない。だからその後20年間、全く目にすることがなかった。新幹線で関ヶ原を通過するあたりで、車窓から目を凝らして、ケリいないかな?と探していたくらい。アジアやアフリカで別の近縁種も色々見たけれど、頬にタレタレがついていたり、奇矯なものが多くて、日本のケリとは少し違う。

9月の伊勢の帰り、また伊那谷から戻るのも芸がないから、静岡から帰ることにして、余った時間をどこで過ごすかな、と見ていたら磐田大池が目に留まった。調べると水鳥が集まるらしい。よし、と決め、伊良湖岬から浜名湖をかすめて磐田入りした。大池についておもむろに見ると、大きなサギ、小さなシギチドリにまざって、中くらいの見るからに異質な鳥が、居心地悪そうにぽつぽつと立っている。あ、ケリだ。

わーいと喜んで写真を撮っていたら、興奮が伝わったか、地元の鳥好きの人が何か珍しいものが居ますか、と話しかけて来る。思わず「あれ、ケリですよね?」と聞くと「え?ああ」と答える顔が怪訝そうだ。ケリがいる地元では、普通の鳥なんだな。ツルシギとかオジロトウネンとかもいたけれど、僕にはケリの方が大事。とは言わなかったけれど、まぁそういう気持ちで、撮影を続けた。

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[写真撮影:2023/09 - 静岡県 - 約35cm - 個人的博物館本館のチドリ・ミヤコドリ・ケリの類のページへ]
[photo data : 09/2023 - Shizuoka, Japan - abt 35cm - visit the main museum ('
Plovers, Oystercatchers, Lapwings...")]
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