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スジボソヤマキチョウ - Lesser Brimstone - Gonepteryx mahaguru aspasia

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まだ夜は氷点下だし、花もほとんど開かず、春とは言っても甚だ心許ない。それでも枯葉だらけの林に目を凝らすと、雑巾のような蝶がひらひら、ひらひら、と飛んでいるのに気づく。

成虫のままで越冬したようだが、いままで雪の林の一体どこに隠れていたのだろう。昼間、気温が10℃を越えるような日だと、右から、左から、浮かぶように現れ出て、雄雌がじゃれあう。寒い日や、朝晩はまた消える。いや、正確に言うと、昼間でも飛翔の合間はふっ、と消えてしまう。

どのように消えるのか。落ち葉の重なった林床に着地して、そのまま密やかに体を倒しているのがわかる。簡単に言えば落ち葉に擬態しているのだろうが、そう表現してしまうと、はかなさとか、いじらしさとか、けなげさとか、いやそういうものとも違う、何か訳の分からぬ大事なものがこぼれ落ちるような気がした。

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花が咲き出せば、こういう華やかな蝶でもある。

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分類は、Gonepteryx aspasiaとするものが多い。

[写真撮影 : 2014/04 - 長野(4枚目は2008/5 山梨) - 開長約60mm - 個人的博物館本館のシロチョウ・キチョウのなかまのページへ]
[photo data : 04/2014 - Nagano, Japan (#4 05/2008 Yamanashi) - Wingspan abt 60mm - visit the main museum ('
Whites and Yellows')]
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