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コウモリガ - a Ghost Moth - Endoclita excrescens

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起きだして、外で飯を食う支度をしていてふとみると、網戸に大きめの蛾がつかまっていた。容貌がすごく不気味。手足がそれぞれに毛むくじゃらで太い。ああこれはコウモリガじゃないか?と思ったらビンゴだった。

コウモリガはそんなには珍しい蛾でもなくて、果樹などをいためる害虫とされているが、何せ会ったことがなかった。図鑑などで見ると、相当に大きいし、他のどの蛾とも違う得も言われぬ存在感があって、一度はお目にかかりたいなと念じていたその祈りが通じたと言う訳だ。それも向こうから来てくれるとは。ああうれしいなあ。

本来の Ghost Moth と呼ばれるヨーロッパの親戚の雄連中は草原などで夜間フラフラとディスプレイするそうで、動画もいろいろ見つかるが、あちらはより普通の外観だし、木に穴は開けない風だし、幼虫で越冬するというのも、卵で越すこのコウモリガとはずいぶん違う。

本邦のコウモリガも夕方から活発に飛ぶとあるが、昼間だったので微動だにせず、大物らしく臆せず撮影に応じてくれた。羽根のつけ根、人間でいうと肩の辺りに眼状紋の如きものがあるが、本物の眼はそれよりずっと先の方についている。何より、前肢中肢の毛むくじゃらが、蛾のものというよりは、霊長類の手、むしろタランチュラみたいで見飽きない。実におもしろい。

暗くなってふと見ると飛び去った後だった。

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[写真撮影 : 2019/09 - 長野県 - コウモリガ科 - 開張90mm内外 - 個人的博物館本館のその他の蛾のページへ]
[photo data : 09/2009 - Nagano, Japan -
Hepialidae - wingspan abt 90mm presumably - visit main museum “Other Moths”]
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